立ち上がれ、呑ん兵衛
2011/11/19
酒が旨くて城もいい。
いま会津若松がアツイ!
10月の末に1泊2日で福島に遊びに行ってきました。
とかく温泉好きは、その土地に行きたいというよりも、あの湯に入りたい! 素晴らしい浴場を持つあの宿に泊まりたい!と“湯の質”で目的地を決める人が多いもの。福島県の会津若松には、温泉ファンなら誰もが知る『向瀧(むかいだき)』という名温泉旅館がございまして、今回は久々の再訪となりました。
しかし、この旅先を候補にあげたとき、「向瀧はいい宿だけれど、福島でしょ。セシウムとか強いんじゃないの? 止めたほうがいいんじゃないの?」と一緒に旅に行かないけれど心配(横槍?)してくれる知人も居て、ちょっと心が揺れました。「私はいいけれど、同行者が気にするかな…」と。しかし、私を含む3人ともノープロブレム。こういう無駄な気遣いが、東北を遠ざけしまうなぁ、いかんなぁなどと思いました。宿も空いているかな?と思いきや最後の1室だったそうで、我々の予約で満室に。大人の判断で東北に純粋に遊びに行く人は少なくないのです。
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秋晴れの土曜、ビールとつまみを抱えて新幹線に乗り込み、東京駅から一路、郡山へ。
電車旅のときは酒をしこたま買い込んで車窓の風景を楽しむのが常ですが、郡山はあまりにも近く、ワインのコルクに手を伸ばす前に到着してしまった(1時間20分ぐらい)。郡山にてJR磐越西線に乗り換えて約1時間、会津若松駅に付くとモクモクと黒い煙が…。そう、なんとSLがいたのです! 鉄っちゃんには有名なのかもしれませんが、知らずに突然見ると「わーお!」とテンション上がりまくり。ゆっくりSLが動き始め、客室車両と連結。石炭を補充する車掌さんの姿などが間近に見られ、普通のお客さんも撮り鉄さんと思しき人々も興奮しながら撮影しまくりでした。乗ってみたいな~。ラーメンで有名な喜多方も通るので、時間のある方はぜひご乗車を!
会津若松駅から新潟間を結ぶ「SLばんえつ物語」号。
貴婦人と称された「C57(シゴナナ)-180号機」です。
土日祝に運行(土日でも運休あり)、全席自由
うっかり駅の売店で買ってしまったSLのスケール。
赤べこの包み袋がほほえましい
城ってリニューアルするものなの!?
新生・鶴ヶ城の雄姿を見よ
駅から出ると巨大な赤べこと、お城ボくんがお出迎え。「お城ボくん」は、今年(平成23年)3月にリニューアルしたばかりの鶴ヶ城をモチーフにした、サムライシティ・合津のイメージキャラクター。いわゆる、ユルキャラなんだけれど、「城ってリニューアルとかするの!?」ということにまず驚き。以前は黒瓦のオーソドックスなお城だったのを、赤瓦に総葺き替え。白虎隊も眺めたという、幕末の頃の姿によみがえらせたというのですが、赤瓦の城ってものすごく珍しいですよね。青空を背景に聳え立つ五層の城は、輝く白壁と見事な赤瓦で、ピカピカしていましたよ~。城の敷地内のあちこちに武将姿の人がウロウロしていて記念撮影もOK。歴女も胸きゅんですね。
城の中も大リニューアル。以前の鶴ヶ城を知る友人は「長州薩摩などに対する恨みつらみが壁に書かれていて、それを見るだけでもあの城に行く価値がある」と言っていたけれど、新生した城では怨念(?)は払拭。一層は「歴代藩主とお城の変遷」、二層は「楽しみながら学ぶ江戸時代の会津」、三層は「錦絵で描く会津戊辰戦争」など、各階層ごとにテーマが分かれていて、畳の上で着物を着てお姫様気分♪なんていう体験コーナーもあり。鎧兜と刀が並ぶ黴臭い城といったイメージを大きく覆します。360度の眺望が楽しめる天守閣からの見晴らしも圧巻ですよ。写真は撮っていないのですが、赤瓦の雄姿は以下のHPでチェックしてみてください。
会津若松市観光公社「会津鶴ヶ城」 http://www.tsurugajo.com/index.html
お城のリニューアルだけではなく、蔵造りの商家が並ぶ城下町も必見です。レトロな町並みが好きな人だったら、きっと好きになるはず。町中を循環するバス(1回券200円、1日券400円)があるので観光に便利。駐車場があちこちあるので、車で移動する人も楽ですよ。私が気に入ったのは「会津絵ろうそく」。江戸時代から続く「ほしばん絵ろうそく店」に伺ったのですが、椿に菊に藤にと、四季折々の花が手で描かれたろうそくはあまりにも雅で美しくて惚れました。会津は漆塗り(会津塗り)や会津木綿など、伝統工芸がいまに伝わる町。奥深い魅力が堪能できますね。ちなみに、毎年2月の夕刻、鶴ヶ城をはじめとする市内各所にて「約7,000本の蝋燭のあかりに照らされて雪景色に浮かぶ会津幻影」が楽しめる会津絵ろうそく祭りが開催されますので、興味のある方は是非お立ち寄りください。
そうそう、来年2013年の大河ドラマ「八重の桜」は、ここ福島の会津藩が舞台なんです。会津藩の砲術師範・山本謙八の子として生まれた新島八重の生涯を描いた作品で、脚本は「ゲゲゲの女房」を執筆した山本むつみ氏。戊辰戦争では鶴ヶ城に女性500人で立てこもって応戦したことから“幕末のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、日清、日露戦争では日本初の看護婦として戦場へ向かったことから“日本のナイチンゲール”ともいわれたスーパーウーマン。震災後初の大河ドラマの舞台が福島というのも、なにか東北に対する強いメッセージがありそうですね。
「ほしばん絵ろうそく店」で購入した絵ろうそく。
http://www.mapple.net/spots/G00700070104.htm
東山温泉『向瀧』
会津若松の駅から車で15分ぐらい(巡回バスも通ります)山の方へ向かうと、東山温泉郷にたどり着きます。2つの滝が落ち合う所、まさに滝が向かい合って流れる川沿いに建てられた『向瀧』は、かつて会津藩指定保養所でした。国の文化財に指定されている木造建築と中庭の佇まい、きっと江戸の頃から変わっていないんだろうなぁと思わせます。ここは野口英世もよく利用されたそうで、今回は米国から一時帰国した野口英世と母・シカが涙の再会をしたという部屋に泊まらせてもらいました。渡航前に大宴会を催した宴会場も必見です。
この宿の温泉はすべて源泉賭け流し、特に「きつね湯」は動力を一切使わない自然湧出の自家源泉のみというところがすごい。湯気を吸う軽石の天井からは一粒の水滴も落ちず、なんともはや気持ちのいい湯舟なのです。3つある貸切風呂は1人分の体がすっぽり収まる小さめサイズ。この嵌った感が、妙に心地よいんですよね~。
そして湯上りのお楽しみは、会津の酒と食。脂ののった磐梯マスに会津地鶏の朴葉焼き、名物・会津藩直伝の鯉の甘煮なんぞ口にすれば、4合瓶も軽く1本空けちゃうほど。にしんの山椒漬けも、酒の肴の横綱級のウマさ。鯉とにしんは売店で購入もできるので、おいしい思い出を持ち帰ることもできるのです。雑誌など「おいしい温泉宿」の特集でよく取り上げられる宿なので、湯も酒も料理も!という人におすすめ。仲居さんや宿の人々のおもてなしも、あたたかで朗らかで、すごく元気をもらえる宿なのですよ。
『会津東山温泉 向瀧』 http://www.mukaitaki.com/
会津郷土料理の「にしんの山椒漬け」
お土産は半身4本入りで1000円前後
D4Tとしては、やっぱり飲まなくちゃね♪
お土産は会津若松駅前の「渡辺宗太商店 会津酒楽館」へ。会津の地酒がてんこ盛りで、気になるお酒は試飲もOK。飛露喜、天明といった福島の人気銘柄はもちろん、地元・会津若松の地酒も多数揃っています。今回はミード酒という、日本蜜蜂がとった蜜で醸したやさしいお酒(ファンタジー小説とかでたまに見かけません?よく調べていませんが、ビールよりも歴史が古いお酒らしいですよ。白ワインに似ています)に、会津の地酒(名前失念・飲んじゃった)、友人の土産に天明の蔵で造っている「一生青春」を購入。一生青春って、いいネーミングですよね(笑)。米どころ福島の実力は、地元の酒屋に行くとよくわかる。こう、見ていてわくわくするんですよね。あ、でも現地に行けない人でも通販で購入できるので、酒屋さんのHPをのぞいてみてくださいませ。
「渡辺宗太商店 会津酒楽館」
福島県会津若松市白虎町1番地 電話0242-22-1076
http://www.hechima.co.jp/~souta/toutenha.html
会津の観光情報は「会津若松観光ナビ」をチェック http://www.aizukanko.com/
酒が旨くて、肴も湯もいい。大河ドラマで話題になるであろうし、お城もユニーク。
そんな会津若松で飲んで食べて遊んで、東北を感じて来てください。
彼の地が潤うだけではなく、訪れた私たちもきっと元気がもらえるから。(嶺)